せどりの棚卸し金額は、棚にある商品の販売価格ではなく、期末時点で残っている在庫の取得原価を集計するのが基本です。Amazon FBAにある在庫だけでなく、自宅の自己発送在庫、未出品商品、返送中の商品なども漏らさないようにします。
在庫金額が合わず困っている方へ
自分の販売方法に合う棚卸しの分け方を整理したい場合は、LINEから相談できます。
せどりの棚卸しで数えるもの
棚卸しは、決算日や年末など基準日を決め、その時点で事業として保有している在庫の数量と原価を確認する作業です。売上になっていない商品を数えるため、Amazonで販売中かどうかだけでは判断できません。
基本的には、次の在庫を一覧にします。
- Amazon FBAで販売可能になっている在庫
- FBAへ発送中・受領中の在庫
- 自宅や倉庫で保管する自己発送在庫
- 仕入れ済みだが、まだ検品・出品していない商品
- 返品や返送で手元へ戻る途中の商品
- 販売不可、破損、欠品などで処分判断が終わっていない商品
反対に、すでに購入者へ引き渡し、売上として処理する商品は期末在庫に含めません。仕入れ先へ返品済みで返金が確定したものも、在庫との二重計上を避けます。税務上の判断は事業の状況で変わるため、不明点は税理士や所轄税務署へ確認してください。
実際の相談で多かった棚卸しの迷い
あるコンサル生から、「棚卸し金額はその週の仕入れ額なのか、今ある商品の累計なのか」と質問がありました。松尾側の回答は、販売管理ツールに表示される在庫金額へ、まだFBAへ納品していない在庫の原価も足す、というものでした。
この判断の理由は、未納品の商品もすでに事業のお金で仕入れた資産だからです。段ボールの中にあり、Amazonの画面に出ていなくても、なかったことにはできません。
別の相談では、大型の自己発送品や季節商品が自宅に残り、月末の金額をつかめなくなっていました。そこで、商品を持ち帰った時点で在庫アプリへ登録し、商品ごとに識別できるラベルを付ける運用へ変えています。月末に思い出して入力するのではなく、入口で記録する仕組みにしたことがポイントです。
さらに、決算時に在庫を数え直したところ、Amazonではすぐ販売できない商品が相当額残っていた例もあります。帳簿上の在庫が大きくても、現金へ戻りやすい在庫とは限りません。棚卸しは税務のためだけでなく、販売できない在庫を見つける経営の点検にもなります。
棚卸し金額を出す8つの手順
1.棚卸しの基準日を決める
個人事業なら通常は年末、法人なら決算日が中心です。週報や月報で資金管理に使う場合も、「いつ時点か」を必ず決めます。基準日が違う一覧を混ぜると、入庫と販売のずれで合わなくなります。
2.在庫の置き場所を洗い出す
FBA、自宅、倉庫、車内、外注先、返送中など、商品が存在する場所を書き出します。販売チャネルではなく、現物がある場所で分けると漏れを見つけやすくなります。
3.FBA在庫レポートを基準日に合わせる
セラーセントラルから在庫数を確認し、SKUごとの数量を取得します。現在の画面だけを見ると、基準日後の販売や返品が混ざることがあるため、必要に応じて期間を指定できるレポートを使います。販売可能だけでなく、留保中や販売不可も別列で確認します。
4.未出品と自己発送の現物を数える
棚、段ボール、撮影待ちの机などを順番に回り、一商品ずつ数えます。「あとで出品する箱」は最も漏れやすい場所です。作業中の箱を開けたまま移動すると二重計上しやすいため、場所ごとに完了印を付けます。
5.数量へ仕入原価を掛ける
棚卸し金額は販売予定額ではなく原価で集計します。値札価格ではなく、実際に支払った金額を仕入れ記録や領収書と照合します。ポイントや送料などの扱いは、普段の会計処理と統一してください。
6.セット品・付属品・部品取りを分ける
セットで販売する商品を個々に数えたり、部品取り用の商品を通常商品と同じ原価で重複計上したりしないようにします。中古品は本体、付属品、欠品の状態が分かる識別番号を付けておくと、商品説明とも結びつけやすくなります。
7.販売不可や不良在庫を別表にする
壊れている、出品規制で売れない、付属品がないなど、通常販売できない商品を消してしまうのではなく、まず別表へ移します。廃棄、買取、他販路、部品利用など出口を決め、実際の処理記録を残します。FBAで販売不可になった商品の対応はAmazon FBAの販売不可在庫の対処法も参考にしてください。
8.前年・前月との差を確認する
集計後は、在庫金額だけでなく、未出品、長期在庫、販売不可の比率を前回と比べます。在庫が増えた理由を、仕入れ強化だけで終わらせず、出品遅れや値下げの遅れまで確認します。
棚卸しは、数え方より先に置き場所を分けると進みます
FBA・自己発送・未出品が混ざっている方は、LINEで状況を整理しましょう。
棚卸しでよくある5つのミス
Amazonの在庫画面だけで終える
未出品、自宅保管、発送中の商品が抜けます。FBAの数字は重要ですが、事業全体の棚卸しの一部です。
販売価格で計算する
売れたらいくらになるかではなく、仕入れ時の原価を使います。見込み利益を出す表と棚卸表は目的が違います。
売れない商品をゼロにする
売りにくいことと、存在しないことは別です。処分や評価の根拠がないまま金額を消さず、状態と今後の処理を記録します。
レシートの合計だけを残す
一枚のレシートに複数商品があると、後から商品別の原価が分からなくなります。仕入れ時に商品、数量、値引き後の金額を記録し、必要なら値札も写真に残します。
年末だけ一気に数える
記憶が薄れ、未出品の理由や欠品状態が分からなくなります。月末に簡易棚卸しを行い、差異を小さいうちに直す方が、決算時の負担を減らせます。
毎月の在庫管理を楽にする方法
棚卸しを楽にする一番の方法は、数える速度を上げることではなく、仕入れた瞬間に記録することです。最低限、管理番号、商品名、数量、原価、仕入日、保管場所、販売状態を残します。
中古品や大型品は、商品へ管理番号を貼り、在庫表と写真を同じ番号で結びます。FBAへ送ったら保管場所を「FBA発送中」へ変え、受領後に「FBA」へ移します。返送依頼を出した商品も、手元へ戻るまで消さないようにします。
週報で棚卸し金額を追う場合は、売上や見込み利益と同じ欄に置くだけでなく、「未出品原価」「長期在庫原価」「販売不可原価」も分けると、詰まりが見えます。週報の作り方はせどり週報で課題を見つける9項目で解説しています。
よくある質問
FBAへ発送済みで、まだ受領されていない商品も数えますか?
基準日時点で自分が所有している在庫なら、漏らさないよう発送中として管理します。FBA在庫と手元在庫の両方へ入れて二重計上しないよう注意してください。
未出品の商品も棚卸しに含めますか?
はい。仕入れ済みで手元にある商品は、出品前でも在庫です。出品していないことを理由に除外しません。
壊れた商品は在庫から外してよいですか?
状態だけで自動的にゼロと決めず、処分や評価の根拠を残します。会計処理に迷う場合は専門家へ確認してください。
まとめ
せどりの棚卸し金額は、基準日時点で残っている商品の取得原価を集計します。FBAだけで終えず、自己発送、未出品、発送中、返送中、販売不可まで、置き場所と状態を分けて確認します。
実際の相談で松尾側が「管理ツールの在庫金額へ未納品分を足す」と案内したのは、画面に出ていない商品も事業の在庫だからです。棚卸しは税務のための年一回の作業ではなく、現金へ戻らない商品と出品の詰まりを見つける点検です。
在庫を数字で見える状態に変えましょう
未出品や販売不可が混ざり、どこから手を付けるか迷う方は、LINEから相談してください。
