Amazonへ新品商品を出品したものの、「おすすめ出品の価格に合わせているのにカートが取れない」と悩んでいませんか。
以前サポートしていた方からも、新品商品の販売が進まず、さらに価格を下げるべきかという相談がありました。
しかし、Amazonのおすすめ出品は、販売価格だけで決まるわけではありません。
価格を下げる前に、おすすめ出品の利用資格、配送条件、アカウント健全性、在庫状況などを順番に確認することが重要です。
この記事では、Amazonでカートが取れないときに確認したい8項目と、値下げ競争を防ぐための見直し手順を解説します。
Amazonの「カートを取る」とは
Amazonの商品詳細ページには、通常「カートに入れる」ボタンとともに、特定の出品商品が優先的に表示されます。
Amazonでは、この枠を「おすすめ出品」と案内しています。以前から出品者の間で使われてきた「カートボックス」「カートを取る」という言葉も、基本的にはこのおすすめ出品を指します。
同じ商品ページへ複数の出品者が出品していても、すべての出品が同じように表示されるわけではありません。
おすすめ出品として表示されると、購入者が出品者一覧を開かなくても商品を購入しやすくなるため、販売機会へ大きく影響します。
最安値なら必ずカートが取れるわけではない
Amazon公式ヘルプでは、おすすめ出品の利用資格を取得しても、実際におすすめ出品として掲載されることが保証されるわけではないと案内しています。
価格以外にも、出品形態、配送、アカウントのパフォーマンス、注文履歴などが関係します。
また、販売価格だけではなく、配送料を含めた合計価格の競争力も確認されます。
「取れないから100円下げる」という対応を繰り返す前に、どの条件で競合へ負けているのかを確認してください。
カートが取れないときに確認したい8項目
1.おすすめ出品の利用資格があるか
最初に、対象SKUがおすすめ出品の利用資格を満たしているか確認します。
Amazon公式では、主な資格条件として次の内容を案内しています。
- 大口出品者であること
- 注文不良率、キャンセル率、出荷遅延率などのパフォーマンス
- Amazonがパフォーマンスを評価できる一定の注文数
- 競争力のある価格
必要な注文数はカテゴリーなどによって異なり、具体的な判定方法がすべて公開されているわけではありません。
セラーセントラルの在庫管理画面などで、対象SKUがおすすめ出品の対象になっているか確認してください。
2.同じコンディションの出品と比較しているか
新品と中古では、おすすめ出品の表示や競合条件が異なります。
中古商品では、「ほぼ新品」「非常に良い」「良い」など、コンディションごとに価格と商品の状態が違います。
確認する際は、次の条件をそろえます。
- 新品と中古のどちらか
- 中古の場合は同程度のコンディションか
- 付属品や外箱の有無
- FBAか出品者出荷か
- 配送料を含めた合計価格
条件が異なる最安値出品者へ価格を合わせると、必要以上の値下げになることがあります。
3.商品価格と配送料の合計を確認したか
出品者が見ている商品価格が同じでも、購入者が支払う総額は異なる場合があります。
特に出品者出荷では、商品価格に配送料を加えた金額で比較してください。
例えば、自分が3,000円で送料無料、競合が2,800円で送料500円なら、購入者の支払総額は自分の方が低くなります。
反対に、商品価格だけをおすすめ出品へ合わせても、自分だけ配送料が加算されれば競争力が下がる可能性があります。
4.「価格設定の健全性」に問題がないか
Amazonの「価格設定の健全性」では、次のような出品を確認できます。
- 価格の誤設定の可能性により停止している出品
- おすすめ出品の利用資格を満たしていない出品
- おすすめ出品価格に近い出品
- 他社サイトや最近の価格と比較して競争力が低い出品
Amazon上の競合だけを見て価格を決めても、他社サイトの価格や過去の価格との比較によって、おすすめ出品の資格を満たさない場合があります。
セラーセントラルの「価格設定の健全性」を確認し、対象SKUに警告や価格見直しの提案が出ていないか確認してください。
5.配送条件で競合に負けていないか
Amazon公式は、おすすめ出品になる可能性を高める方法として、迅速な配送と送料無料を案内しています。
次の項目を競合と比較します。
- お届け予定日
- 出荷作業日数
- 配送料
- FBAか出品者出荷か
- 購入者の住所へ配送できる設定か
商品価格が同じでも、競合は翌日配送、自分は数日後の発送という場合、購入者にとっての条件は同じではありません。
出品者出荷では、実際に対応できない短い出荷日数を設定するのも避けてください。遅延が増えれば、アカウントのパフォーマンスにも影響します。
6.アカウント健全性に問題がないか
Amazonは、おすすめ出品の利用資格を判断する指標として、注文不良率、キャンセル率、出荷遅延率などを挙げています。
セラーセントラルのアカウント健全性ページで、次の項目を確認します。
- 注文不良率
- 出荷前キャンセル率
- 出荷遅延率
- ポリシー違反
- 購入者からの未対応連絡
低評価が一件付いただけで必ずカートが取れなくなるわけではありません。
一方、価格だけを変更しても、利用資格やアカウントのパフォーマンスに問題があれば改善しない可能性があります。
7.在庫が販売可能な状態になっているか
FBAへ納品した商品は、発送した時点ですぐに販売可能になるとは限りません。
次の状態になっていないか確認します。
- FCで受領中になっている
- FC間で在庫を移動している
- 販売不可在庫になっている
- 商品情報の不備で検索対象外になっている
- 在庫数が0になっている
- 出品開始日が未来に設定されている
また、在庫が一つしかない商品は、一件売れただけで販売が止まります。
在庫数を増やせば必ずおすすめ出品を取れるという意味ではありませんが、販売可能な在庫が正しく反映されていることは確認が必要です。
8.おすすめ出品率とページビューを確認したか
商品が売れていないと、すべて「カートが取れないこと」が原因だと考えがちです。
しかし、商品ページ自体がほとんど見られていなければ、おすすめ出品を取得しても販売数は増えにくいでしょう。
セラーセントラルのビジネスレポートでは、詳細ページの売上・トラフィックレポートから、次のような情報を確認できます。
- ページビュー
- セッション
- おすすめ出品の割合
- 注文品目数
- 注文品目数セッション比率
例えば、ページビューはあるのにおすすめ出品率が低いなら、価格や配送条件などを重点的に見直します。
おすすめ出品率は高いのに売れない場合は、需要、商品ページ、販売価格そのものを見直す必要があります。
実際に価格を合わせても取れなかったケース
ある受講生は、新品商品をおすすめ出品と同程度の価格に設定していましたが、思うようにおすすめ出品を取得できず、販売も停滞していました。
そこで、価格をさらに下げる前に、ビジネスレポートでおすすめ出品率とページビューを確認するよう案内しました。
その後、価格とポイントの設定を見直したところ、おすすめ出品率に改善が見られました。
ただし、これは「ポイントを付ければ必ずカートが取れる」という意味ではありません。
在庫数が少ない時期は、一件の販売や短期間の取得状況によって割合が大きく変わります。価格変更前後の数字を一定期間比較する必要があります。
確認したいのは、感覚的に取れているかどうかではなく、どの条件を変えたときにおすすめ出品率と販売数が動いたかです。
値下げ前の確認手順
- 対象SKUがおすすめ出品の利用資格を満たしているか確認する
- 同じコンディション・配送方法の競合を確認する
- 商品価格と配送料の合計を比較する
- 価格設定の健全性を確認する
- お届け予定日と出荷作業日数を比較する
- アカウント健全性を確認する
- 在庫が販売可能になっているか確認する
- ビジネスレポートで変更前の数値を記録する
問題が見つからなかった場合は、赤字を防ぐ最低販売価格を計算したうえで、小さく価格を調整します。
一度に大幅値下げすると、何が改善につながったのか分からなくなるため注意してください。
よくある間違い
- おすすめ出品価格より安くすれば必ず取れると思う
- 商品価格だけを見て配送料を比較しない
- 新品と中古の価格を混ぜて考える
- FBAと出品者出荷を同じ条件だと考える
- 価格設定の健全性を確認しない
- 受領中のFBA在庫を販売可能在庫だと思う
- おすすめ出品率を確認せず、毎日感覚で価格を変える
- ページビューが少ない商品を価格だけで売ろうとする
カートが取れないときのチェックリスト
- 大口出品者になっているか
- おすすめ出品の利用資格を確認したか
- 同じコンディションの競合と比較したか
- 配送料込みの合計価格を確認したか
- 価格設定の健全性に問題がないか
- 競合とのお届け予定日の差を確認したか
- アカウント健全性を確認したか
- 在庫が販売可能になっているか
- おすすめ出品率とページビューを確認したか
- 最低販売価格を計算してから価格を変更したか
まとめ
Amazonでカートが取れないときは、価格だけを下げても改善しない場合があります。
おすすめ出品の利用資格、コンディション、合計価格、価格設定の健全性、配送条件、アカウント健全性、在庫状況、ビジネスレポートの8項目を確認してください。
おすすめ出品率が低いのか、そもそもページビューが少ないのかによって、行うべき対策は異なります。
数字を記録し、条件を一つずつ変更することで、不要な値下げを防ぎやすくなります。

