Amazonの出品作業をスタッフや家族と分担するとき、同じセラーセントラルのメールアドレスとパスワードを共有していませんか。
ログイン情報を共有すると、誰が操作したかを分けにくくなり、退職・契約終了後もアクセスされる可能性があります。2段階認証のコードを受け取れる人が不在になると、全員の作業が止まることもあります。
複数人で利用する場合は、同じパスワードを渡すのではなく、ユーザー権限から一人ずつ招待し、担当業務に必要な権限だけを付与します。
この記事では、Amazonセラーセントラルのユーザー権限の基本と、スタッフ・外部パートナーを追加するときに確認したい7つの安全設定を解説します。
セラーセントラルのユーザー権限とは
Amazon公式では、出品用アカウントを初めて設定した段階では、アカウント管理者本人だけが各種ツールと機能へアクセスできると案内しています。
ユーザー権限から他の人を追加すると、在庫管理、出荷通知など、必要な作業を別のログインで行えるようになります。
なお、Amazon公式ではユーザー権限機能は大口出品者が利用でき、小口出品者はセカンダリユーザーを追加できないと案内しています。現在の出品形態と管理画面を確認してください。
プライマリユーザー・セカンダリユーザー・承認済みパートナーの違い
プライマリユーザー
出品用アカウントを登録した管理者です。利用できるページと機能に広くアクセスできます。
セカンダリユーザー
プライマリユーザーまたは権限を持つ管理者から招待されるユーザーです。社内スタッフや共同経営者などへ、担当するツールごとに権限を付与できます。
承認済みパートナー
外部のサービスプロバイダーや開発会社などへ、明示的に選んだデータへのアクセスを許可する仕組みです。
Amazon公式は、外部のサードパーティサービスプロバイダーや開発者を通常のユーザーとして追加せず、承認済みパートナーとして追加するよう案内しています。相手との関係と現在の画面表示に従って、適切な追加方法を選びます。
ユーザー権限を安全に設定する7つの手順
1.任せる作業を書き出す
先に人を追加するのではなく、その人が行う作業を具体的にします。
- 在庫数や価格を確認する
- 商品情報を登録・修正する
- 自己発送の出荷通知を送る
- FBA納品を作成する
- 返品を確認する
- レポートを閲覧する
- 広告を管理する
「出品作業を任せる」だけでは範囲が広すぎます。閲覧だけでよいのか、編集や送信まで必要かを決めます。
2.ログイン情報を共有せず、個別に招待する
Amazon公式は、他の人とパスワードを共有せず、ユーザー権限から招待するよう案内しています。
- セラーセントラルの「設定」から「ユーザー権限」を開く
- 追加する人の連絡先情報を入力する
- 招待を送信する
- 相手に招待メールの手順で登録してもらう
- 未解決の招待と登録状況を確認する
共有メールアドレスを一つ作って全員で使うのではなく、操作する本人ごとに追加します。
3.外部事業者はパートナーとして追加する
社内メンバーとして追加する人と、外部サービス事業者・開発会社を分けます。
承認済みパートナーを追加する場合は、ユーザー権限画面から対象のグローバルアカウントを選び、「委任する」タブのパートナー追加へ進む流れがAmazon公式で案内されています。
相手から「プライマリユーザーのパスワードを教えてほしい」と求められても渡さず、Amazonが用意する招待方法と、相手が必要とする権限を確認してください。
4.必要最小限の権限から始める
Amazon公式は、全ユーザーへすべての権限を付与せず、業務に必要な最小限から始め、必要に応じて追加するよう案内しています。
たとえば、FBA納品作成だけを任せる人に、支払い情報、ユーザー管理、広告管理まで許可する必要はありません。
- 閲覧だけで作業できる項目は閲覧権限にする
- 編集が必要な項目だけ編集権限を付ける
- 返金、支払い、アカウント設定など影響の大きい権限は慎重に扱う
- 担当外の国・地域のアカウント権限を付けない
5.ユーザー権限を管理できる権限は限定する
Amazon公式では、ユーザー権限ページに「表示と編集」の権限を与えると、そのセカンダリユーザーは管理者になり、他のユーザーの権限を管理できると説明しています。
在庫入力や発送を担当する人へ、ユーザー追加・削除までできる管理権限を与える必要は通常ありません。管理者を増やす場合は、誰が最終責任を持つかを決めます。
6.各ユーザーが2段階認証を設定する
Amazon公式では、セラーセントラルへアクセスする各ユーザーが、個別のログインと2段階認証を設定するよう案内しています。
- 本人のログインで2段階認証を有効にする
- 認証アプリ、SMS、音声通話など現在選べる方法を確認する
- 主端末を使えない場合のバックアップ方法を設定する
- 端末・電話番号の変更時に登録情報を更新する
一人の端末へ全員分のコードを集める運用では、その人が不在のときに作業が止まります。本人ごとの認証を基本にします。
7.定期的に権限を棚卸しする
ユーザーを追加したまま放置せず、定期的に確認します。
- 現在も業務を担当しているか
- 担当変更で不要になった権限がないか
- 退職・契約終了したユーザーが残っていないか
- 管理者権限を持つ人が適切か
- 外部パートナーとの契約が続いているか
- 複数国のアカウントへ不要なアクセスがないか
契約終了日が決まっている場合は、その日を権限削除の予定日として管理表へ入れます。
権限不足とシステム不具合を切り分ける
以前、Amazonの商品情報を編集しようとした方が、「編集権限がなく作業できない」と困っていたことがありました。
セラーセントラルでページが表示されない、ボタンが押せない、編集できない場合、システム障害とは限りません。
- そのユーザーに対象機能の権限があるか
- 閲覧のみで、編集権限がない状態ではないか
- 対象の国・地域のアカウントを選んでいるか
- 大口・小口など出品形態による違いがないか
- 招待を承認し、登録を完了しているか
権限を追加するときは、「何でもできる状態」にするのではなく、止まった作業に必要な機能だけを確認します。
担当別に考える権限設定の例
納品・発送担当
在庫の確認、FBA納品作成、出荷通知など、担当する配送業務に必要な範囲を検討します。価格変更、支払い、ユーザー管理は分けます。
商品登録担当
商品・在庫情報の閲覧と編集が必要です。カタログ変更は既存の商品ページへ影響することがあるため、編集してよい項目と、確認を求める項目を作業手順にします。
経理担当
必要なレポートと支払い関連情報を確認します。商品登録や広告など、経理業務に不要な編集権限は付けません。
外部サービス事業者
承認済みパートナーとしての追加方法を確認し、サービス提供に必要なデータだけを許可します。契約終了時の削除担当者と削除日も先に決めます。
ユーザー追加時に残したい管理記録
- ユーザー名・会社名
- 社内ユーザーか外部パートナーか
- 担当業務
- 招待日・利用開始日
- 付与した権限
- 管理者権限の有無
- 2段階認証の設定確認
- 見直し予定日
- 契約・担当終了日
- 権限削除日
ログインパスワードや2段階認証コードは管理表へ書きません。記録するのは「誰に、何のために、どの権限を、いつまで付けたか」です。
初心者がやりやすい権限設定の間違い
- プライマリユーザーのログイン情報を全員で共有する
- 最初からすべての権限を付ける
- 外部事業者を通常の社内ユーザーと同じ方法で追加する
- ユーザー権限の編集権限まで簡単に付ける
- 一人の電話で全員の2段階認証コードを受ける
- 退職・契約終了後もユーザーを削除しない
- 権限不足をシステム障害だと考え、何度も同じ操作を繰り返す
- 海外アカウントを含め、担当外の範囲まで許可する
まとめ
Amazonセラーセントラルを複数人で使うときは、同じメールアドレスとパスワードを共有しません。
ユーザー権限から本人ごとに招待し、社内ユーザーと外部パートナーを分け、担当業務に必要な最小限の権限だけを付与します。
ユーザー権限を管理できる管理者権限は慎重に扱い、各ユーザーが個別に2段階認証を設定してください。
追加したユーザーと権限は定期的に見直し、担当変更、退職、契約終了のタイミングで不要なアクセスを削除しましょう。
